量子計算機と暗号

Abstract

Shorのアルゴリズムの提案以降,量子計算機と暗号は,常に切っても切れない関係にある.素因数分解や(楕円)離散対数問題などの現代暗号の安全性の根拠となる問題は,Shorのアルゴリズムにより量子多項式時間で解くことが可能である.そのため,将来,大規模な量子計算機が実現すれば,公開鍵暗号の多くは解読されることになり,その社会的インパクトが大きい.その一方で,素因数分解は,量子計算機によるスピードアップが実現している数少ない非人工的な問題であり,純粋にコンピュータ科学の側面からも,興味深い.本講演では,量子計算機と暗号の関係について説明するとともに,今後の研究・開発の進展に対する期待を述べる.

Date
Oct 15, 2020 11:25 AM — 12:05 PM
Location
Online