電子情報通信学会ISEC研究会(2023年7月)で研究室から1件発表しました

北海道札幌市で開催された電子情報通信学会ISEC研究会(2023年7月24日–25日))にて,研究室から以下の発表を行いました.

  • タイトル:離散対数問題に対するShorアルゴリズムの実装と量子計算機シミュレータを用いた実験
  • 著者:岸海斗(富士通),山口純平(富士通),伊豆哲也(富士通),國廣昇
  • 概要:暗号分野でよく用いられる素体上の離散対数問題は古典計算機では解くための多項式時間アルゴリズムが見つかっていない.一方,量子計算機による多項式時間アルゴリズムがShorにより与えられており,離散対数問題を解くのに必要なゲート数などのリソースを見積もることが求められている.しかし,素因数分解と比べて離散対数問題を解く量子シミュレーション結果は不足しており,その見積もりをするには不十分である.本研究では32量子ビットで可能な1860通りすべての離散対数問題を解く量子シミュレーションを行い,加算にQ-ADDを用いると標数が2048ビットのときは8194量子ビットと$1.04times 10^{15}$の量子ゲートが必要と推定できた.また,量子計算機が解くにあたって他のパターンと比べて難しいような離散対数問題の種類を発見した.