QIT48で研究室から1件発表しました

京都大学桂キャンパスで開催されたQIT48(2023年05月29日–30日)にて,研究室から以下の1件の発表を行いました.

  • タイトル:量子状態の事前設定による効率的な耐故障性近似量子フーリエ変換
  • 著者: 大西健斗(三菱電機),國廣昇
  • 妙録:本稿では,耐故障性を考慮した,近似量子フーリエ変換の効率化を行う.量子フーリエ変換は,量子計算機が古典計算機より優位性を持つための重要な演算であり,多数の構成法が考案されている.その中でも,特に,近似量子フーリエ変換は,小さな誤りを許す代わりに,計算コストの大幅な減少が可能である.しかし,耐故障性を考慮する場合,量子フーリエ変換を構成する位相ゲートは,その計算量のオーダーを増大させるほど多大なコストを必要とする.本研究では,計算時間の期待値が定数となる位相ゲートを利用した,効率的な近似量子フーリエ変換を提案した.特に,本研究の提案手法は,計算で利用する量子状態を保存するための補助ビットを用意する代わりに,時間計算量の大幅な短縮に成功した.